●高気密・高断熱住宅の特徴
高気密・高断熱住宅には以下のような特徴があり、住む人へのやさしさに満ちた住宅と言えます。
・省エネルギー
・ヒートショック(※1)が起きにくい
・結露やコールドドラフト(※2)が起きにくい
・カビやダニが発生しにくい
・花粉、じん埃が侵入しにくい
・防音効果が高い
※1…急激な温度変化が体に及ぼす影響のこと。血圧が急変動したり脈拍が早くなったりし、深刻な事故につながるケースがある。
※2…冬期に室内に低温が流れ込むか、またはガラスなどの冷壁面で冷やされた冷風が下降する現象。
●高気密・高断熱住宅の4要素
高気密・高断熱住宅には、
・高気密
・高断熱
・冷暖房
・計画換気
の4要素が必要不可欠となり、一つでも欠けてしまうと最良の効果を期待できません。
≪高気密・高断熱住宅における、冷暖房と計画換気の役割≫
−冷暖房−
高気密・高断熱住宅は家を丸ごと断熱材でくるみ、家全体を一つの部屋=全室同じ室温に保ちます。それによって家と人の健康を保てるのです。
・住宅内の温度差がなくなることにより、脳卒中や心臓病の危険から身を守れます。
・結露がなくなります。(結露は温度差によって生る)
−計画換気−
住宅に隙間が少なく、隙間風による自然換気ができないため、計画的な換気が必要となります。
・汚れた空気や不必要な湿気を屋外に排出し、新鮮な空気を室内に取り入れるという、規則的な換気が行えます。
冷暖房も換気設備も取り入れると、電気代が気になるかもしれませんが、高気密なので、隙間が多く機密性が低い住宅よりも、低燃費で全室空調と換気が可能となります。
●内断熱と外断熱の特徴と違い
高気密・高断熱住宅における断熱工法は、内断熱工法と外断熱工法の二つに分かれます。
内断熱とは、木造の場合壁体内に断熱材を充填する工法で、外断熱とは、断熱材を壁体の外側に施工する工法です。
【内断熱】--------------------------
●繊維系断熱材(グラスウール、ロックウール)使用の場合
・コストを安くできる。
・吸湿性・浸透性があるため、壁体内に屋外からの湿気が流れ込まないように正しい施工を行わなければ、結露発生の原因になる。
・柱やコンセント部分などがあるため、断熱材を連続的に施工することができず、継ぎ目や隙間が生じやすいため、気密施工が難しい。
●硬質ウレタンを使用する場合
・吸湿性・透湿性が少ないため、断熱性能の低下、内部結露の発生を防ぐことができる。
・スプレー方式でびっしり吹き付けるので、継ぎ目や隙間が生じにくい。
【外断熱】---------------------
●発泡プラスチック系の断熱材使用の場合
・コストが内断熱よりも一割ほど高くなる。
●押出法ポリスチレンフォームを使用の場合
・水に強く、耐吸湿性があるため、断熱層と防湿層を兼ねることができる。
●断熱材の厚みだけ、内断熱よりも外壁が厚くなるため、狭い土地には向かない。
●断熱材の不連続部分が少なくなり、熱的な欠損箇所が少なく、夏の冷房時にも冬の暖房時にも、壁内結露を発生させにくい。
●高気密・高断熱住宅の落とし穴
〜シックハウス病〜
高気密・高断熱住宅は多くの利点がありますが、思わぬ落とし穴もあります。
高気密住宅は、自然の換気量が少なく隙間がないため、室内から放出されるホルムアルデヒドなどの有害物質が放散されにくく、健康に害を与えるといわれているのです。そしてそれはシックハウス病の原因の一つとも言われています。
有害物質は、住宅に使用される合板や内装材、内部建具、そして家具からも多く放散されています。
シックハウス病を予防するには、計画的な換気でいつも室内の空気をきれいに保つことが必要となります。
そして何よりも、地球にも人にも優しい自然素材を用いて住宅を造ることが重要となります。
●高気密・高断熱住宅の落とし穴・2〜内部結露〜
高気密・高断熱住宅は「省エネルギー」「室内温度などの快適性向上」などの効果を期待できますが、その反面、特徴や性質をよく理解した上で施工しないと、内部結露発生の原因にならないように、当社では高気密・高断熱住宅にあった断熱材とその施工方法を取り入れています。
●気密測定いたします
優れた断熱工法のアキレス株式会社より認定証・評定書が発行されます。